版画は、「版」と呼ばれる版材にイメージを作り、インクを置いて紙に転写する間接的な方法による絵画表現です。
難しいように思われがちですが、自由な表現が可能で、あらゆる時代に多くの作家たちが魅力あふれる作品を残しています。 白黒からカラー、具象から抽象まで、可能性と魅力をあなたも見つけてください。
<銅版画(凹版)のおはなし>
銅板を主な版材として使います。
銅板に直接キズをつけたり、酸で腐蝕したりしてイメージを描画し、版を作ります。
金属ならではの鋭い線的な表現を特色としますが、多くの技法があり、
線や面、白黒からカラーと、多様な表現が可能です。
工程の簡単な流れ(間接法)
●制版
(1) 銅板にグランド(防蝕材)をひく

(2) 版にニードルなどでイメージを描画する(描画したところのグランドがはがれる

(3) 腐蝕液に版を浸け、描画したところを腐蝕させる

●刷り
(1) 版の描画したところを中心に、インクをつめる

(2) 余分なインクを拭き取る


(3) プレス機(印刷機)に通してあらかじめ湿しておいた紙に転写する



<木版画(凸版)のおはなし>
木材を版とする、馴染みのある技法。
絵柄を彫刻刀で彫り、イメージを版にします。
木肌の風合いが残り、独特の暖かみのある作品になります。
最近では技法が開発され、表現の幅が広がっています。
工程の簡単な流れ
●制版
(1) 下絵を準備する

(2) 下絵をカーボンなどで版木に写し取る

(3) 彫刻刀で彫る


●摺り
(1) 湿した新聞紙に、和紙など紙を挟んで、水分を含ませる

(2) 版木に絵の具や墨汁をのせる

(3) ばれんを使って紙に摺る

